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	<title>刑事弁護 | 備後法律事務所</title>
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	<description>広島県福山市の弁護士</description>
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	<title>刑事弁護 | 備後法律事務所</title>
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	<item>
		<title>施設管理権とは何か</title>
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		<dc:creator><![CDATA[弁護士　天野　克則]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 29 Jul 2025 22:55:13 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ブログ]]></category>
		<category><![CDATA[刑事弁護]]></category>
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					<description><![CDATA[施設内での写真撮影の規制 施設内での写真撮影を禁止する根拠として、「施設管理権」という用語が挙げられることがあります。「施設管理権に基づき撮影の可否を決めたり、退去を求めることも可能です。」とか、「建造物などの施設の管理 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<h2 class="wp-block-heading">施設内での写真撮影の規制</h2>



<p>施設内での写真撮影を禁止する根拠として、「施設管理権」という用語が挙げられることがあります。「施設管理権に基づき撮影の可否を決めたり、退去を求めることも可能です。」とか<sup data-fn="4265b7fd-19f4-407b-a142-a119fe17d853" class="fn"><a href="#4265b7fd-19f4-407b-a142-a119fe17d853" id="4265b7fd-19f4-407b-a142-a119fe17d853-link">1</a></sup>、「建造物などの施設の管理者は、施設内の秩序を守るために、特定の人物の入場を制限したり、特定の行動を禁止したりできる権限を有しています。一般的にこの権限を施設管理権と呼んでいます。」などと言われることがあるのです<sup data-fn="47a89f94-091e-41e9-a5ff-be63c101e246" class="fn"><a href="#47a89f94-091e-41e9-a5ff-be63c101e246" id="47a89f94-091e-41e9-a5ff-be63c101e246-link">2</a></sup>。この「施設管理権」という用語は、複数の概念が混同して用いられていると思われますので、整理しておきたいと思います。</p>



<p>なお、「施設管理権」が写真撮影禁止の根拠として用いられることには、他の権利を根拠として写真撮影を一般的に禁止することができないからという前提があります。</p>



<p>所有権者は、物を使用、収益、処分する権限を有するとされます（民法２０６条）。しかし、所有権は、「物の有体物としての面に対する排他的支配権能であるにとどまり、その物の名称等の無体物としての面を直接排他的に支配する権能に及ぶものではない」とされています<sup data-fn="91ce4665-f86b-487c-add5-2ba5e266971f" class="fn"><a href="#91ce4665-f86b-487c-add5-2ba5e266971f" id="91ce4665-f86b-487c-add5-2ba5e266971f-link">3</a></sup>。写真撮影は、発光装置を用いない場合には、撮影対象に反射した光を取り込むだけで、撮影対象に物理的作用を及ぼすわけではありません。すなわち、写真撮影によって物の有体物としての面に対する排他的支配権能を侵害することはありません。そのため、写真撮影は、所有権に対する侵害にはなりません。所有権以外の物権が所有権を超える権能を有することはありませんので、所有権以外の物権に対する侵害にもなりえません。</p>



<p>刑法上も、窃取（刑法２３５条）の対象は、原則として不動産以外の有体物（刑法２３５条の２参照）及び電気（刑法２４５条）です。したがって、情報媒体はともかく、情報そのものは窃取の対象ではなく、利益窃盗として不可罰とされます（刑法２３６条２項参照）。</p>



<p>撮影対象が著作物であれば、写真撮影が著作権侵害となる場合はあります。しかし、写真撮影が著作権者の複製権の侵害といえるのは、撮影対象が著作物に当たり（著作権法２１条）、当該著作物に関する著作権の保護期間が経過しておらず（著作権法５１条２項）、かつ、複製に私的使用以外の目的がある場合に限られます（著作権法３０条１項）。そのため、例えば、動物園で動物を撮影することは、撮影対象が著作物でないので、著作権侵害とはなりません。また、書店で本を写真撮影することは、本に関する著作権の保護期間が経過していなくとも、私的使用の目的であれば著作権侵害に当たらないことになります。ただし、映画館で上映されている映画については、「映画の盗撮の防止に関する法律」により、私的使用の目的の録画も禁止されています。</p>



<p>肖像権は、人の容貌に関する人格的利益ですので<sup data-fn="8141fd9e-b09c-4f14-a347-63a5fb01a7da" class="fn"><a href="#8141fd9e-b09c-4f14-a347-63a5fb01a7da" id="8141fd9e-b09c-4f14-a347-63a5fb01a7da-link">4</a></sup>、人以外の撮影対象については問題となりません。肖像等の顧客誘引力を排他的に利用する権利（パブリシティ権）についても、判例は、人格権に由来する権利としており<sup data-fn="61776197-e977-40c6-a38a-ad08adaead46" class="fn"><a href="#61776197-e977-40c6-a38a-ad08adaead46" id="61776197-e977-40c6-a38a-ad08adaead46-link">5</a></sup>、物についてはパブリシティ権を否定しています<sup data-fn="c991c31e-b552-49d7-a0de-eeefcc7e8a1b" class="fn"><a href="#c991c31e-b552-49d7-a0de-eeefcc7e8a1b" id="c991c31e-b552-49d7-a0de-eeefcc7e8a1b-link">6</a></sup>。</p>



<p>その他、写真撮影が、プライバシー侵害や窃視（軽犯罪法１条２３号）、性的姿態等撮影、児童ポルノの製造、営業秘密不正取得行為（不正競争防止法２条４項）などに当たるとして違法となる場合はありますが、いずれも、撮影対象や撮影場所が限定されています。</p>



<p>現行法上は、物を占有又は所有していることを根拠として、物に対する写真撮影を一般的に禁止する法律はありません。</p>



<h2 class="wp-block-heading">法律における「施設管理権」</h2>



<p>「施設管理権」という用語は、e-GOV法令検索で検索した限り、「農業用ため池の管理または保全に関する法律」及び同施行規則で、「特定農業用ため池の所有者のために当該特定農業用ため池の操作、維持、修繕その他の管理を行う権利」として使われているだけです（同法１３条）。ため池以外の施設とは関係なさそうな概念です。</p>



<p>写真撮影に対する規制根拠として挙げられた施設管理権という概念は、法律に規定された概念ではなさそうです。</p>



<h2 class="wp-block-heading">企業秩序定立権</h2>



<p>法律学小辞典によると、「施設管理権」の語釈は、「企業秩序を維持するため使用者に認められた企業の物的施設に対する管理権」となっています<sup data-fn="504c621d-71b8-44e8-b874-71b0476860c9" class="fn"><a href="#504c621d-71b8-44e8-b874-71b0476860c9" id="504c621d-71b8-44e8-b874-71b0476860c9-link">7</a></sup>。この意味での「施設管理権」は、判例理論においては、労使関係において使用者がもつとされる企業秩序定立権の一部とされています<sup data-fn="7ebe2f0b-f961-42f9-b662-2e7921510d48" class="fn"><a href="#7ebe2f0b-f961-42f9-b662-2e7921510d48" id="7ebe2f0b-f961-42f9-b662-2e7921510d48-link">8</a></sup>。</p>



<p>もともと、「施設管理権」という概念は、「企業施設を利用しておこなわれる組合活動にたいし、攻撃や弾圧の武器として」、使用者が使っていた言葉であるようです<sup data-fn="3806c5ca-128f-4bbb-bfb5-8d7ddb70faf3" class="fn"><a href="#3806c5ca-128f-4bbb-bfb5-8d7ddb70faf3" id="3806c5ca-128f-4bbb-bfb5-8d7ddb70faf3-link">9</a></sup>。判例は、これを、企業設備保全のための物権の一作用とは理解せず、企業秩序定立権の一部として位置付けました。すなわち、「施設管理権」とは、使用者が、企業秩序維持のために、規則を制定したり、命令したりする権限及び規則や命令の違反者を懲戒する権限のことです<sup data-fn="44c15f49-7d04-45e7-bc8d-fc9af3502862" class="fn"><a href="#44c15f49-7d04-45e7-bc8d-fc9af3502862" id="44c15f49-7d04-45e7-bc8d-fc9af3502862-link">10</a></sup>。</p>



<p>企業秩序定立権としての「施設管理権」には、所有権などの物権とは異なる二つの特徴があります。一つは、物権が契約関係にない第三者にも主張できるのに対し、企業秩序定立権は使用者と被用者との間でしか認められないことです。</p>



<p>もう一つは、使用者の企業設備に対する占有を侵害しない態様の行為であっても、制裁の対象とできるということです。不動産の所有権者は、当該不動産への立ち入りまたは滞在を許すか否かを決めることができますし、立ち入った人が所有権者による不動産の使用収益を妨害することは禁止されています。しかし、所有権者は、規則を制定して、不動産に立ち入った人を規則に従わせることができるわけではありません。所有権が不動産に所在する人に対する支配権でないことからすると当然です。これに対して、使用者は、企業秩序維持のために必要であれば、企業設備内での写真撮影を懲戒事由とする規則を定めることができます。</p>



<p>企業秩序定立権としての「施設管理権」は、施設を管理する使用者が、従業員に対して、施設内での写真撮影を禁止する根拠にはなりそうです。しかし、施設の管理者が、その従業員ではない来訪者に対して、写真撮影を禁止する根拠とはならないでしょう。</p>



<h2 class="wp-block-heading">不退去罪の保護法益</h2>



<p>写真撮影禁止の根拠を「施設管理権」とする言説は、施設に滞在する者が写真撮影を止めない場合には、管理者が滞在者に施設からの退去を求めることを想定しています。施設の管理者が退去を求めた場合、退去に必要な時間を超えて退去しなければ不退去罪が成立します（刑法１３０条）。そうすると、「施設管理権」とは、不退去罪の保護法益を指すのでしょうか。</p>



<p>しかし、不退去罪の保護法益とされる管理権は、建造物等に誰を立ち入らせ、誰の滞留を許すかを決める自由です。建造物等の管理権に、特定の行動を禁止する権限は含まれていません。例えば、私が、自らの住居において、来訪者に対して、「話し方が気に食わないから」という理由で退去を求めたとしても、来訪者が退去しなければ不退去罪が成立するでしょう。この場合でも、私の自宅において、来訪者が気に食わない話し方をすることが禁止される（違法となる）わけではありません。同様に、写真撮影をしたからという理由で退去を求めることができるとしても、写真を撮影する行為が禁止されている、または、写真撮影を違法と評価できるというわけではありません。合意なく、一定の領域内での任意の行動を禁止することができる権限は、立法権や条例制定権以外にないのではないかと思われます。</p>



<p>管理権に特定の行動を禁止する権限が含まれていないというのは、退去を求められれば施設内での写真撮影ができなくなるのであるから、言い方の問題に過ぎないと思われるかもしれません。しかし、この点は、正当防衛の成否にも影響するような実質的問題です。退去の要求を受けても建造物等から退去しない者を屋外の道路まで引き出す行為は、暴行罪の構成要件に当たるとしても、正当防衛になりえます<sup data-fn="433aa769-271c-448c-9ac8-bf1ef346d0d2" class="fn"><a href="#433aa769-271c-448c-9ac8-bf1ef346d0d2" id="433aa769-271c-448c-9ac8-bf1ef346d0d2-link">11</a></sup>。これに対して、施設内での写真撮影を理由に退去を要求したにも関わらず、退去せずに写真撮影を続ける者に対して、屋外に引き出すのではなく、撮影行為を制止した場合、正当防衛の成立を認めることは難しくなるでしょう。制止行為が、不退去罪の保護法益である管理権に対する侵害を排除する効果をもたらすとはいえないからです。撮影行為の制止について正当防衛を認めるには、撮影行為により侵害される管理権以外の法益を想定する必要があります。</p>



<p>以上のことからすると、不退去罪の保護法益である管理権から、施設内において写真撮影を禁止する権限を導き出すことはできないといえます。</p>



<h2 class="wp-block-heading">概念の混同による弊害</h2>



<p>写真撮影禁止の根拠として「施設管理権」が挙げられるとき、企業秩序定立権として「施設管理権」と、不退去罪の保護法益としての「管理権」の二つの概念が混同されているのではないかと思われます。すなわち、一方では、管理者には、「施設管理権」があるので、施設内での秩序維持のために写真撮影を禁止する規則を制定する権限があるといい、他方では、管理者には、「施設管理権」があるので、規則違反者を退去させることができる（退去しなかった場合には不退去罪が成立する）といい、これら二つの「施設管理権」が別の概念であることが区別されずに語られています。</p>



<p>このような概念の混同は、あたかも、施設に立ち入っただけで個別に同意していなくとも、従業員でもない施設の来訪者が、施設の管理者が定めた規則に従う義務を負うという誤解を生みだしかねないものです。確かに、物権法定主義（民法１７５条）や法律による行政の原理などの法の基本原則を知っていれば、「施設管理権」なる法律に定めのない概念から、施設内に限るとはいえ、一般市民社会の秩序とは異なる秩序を来訪者に押し付けるような強大な権限が導出できるといった勘違いをすることはないでしょう。そのため、このような誤解を恐れるのは杞憂だと思われるかもしれません。しかし、私は、ある検察官から、検察庁内での（検察官開示証拠の）写真撮影を禁止する根拠は、「庁舎管理権」であると言われたことがあります。</p>



<p>「庁舎管理権」は、官公庁の庁舎に関して、民間企業における「施設管理権」に相当するとされているものですが、「施設管理権」と異なり、公物管理権に根拠を有するとされるものです<sup data-fn="6c2d9b28-dc69-4184-b9a0-6b83dadf776c" class="fn"><a href="#6c2d9b28-dc69-4184-b9a0-6b83dadf776c" id="6c2d9b28-dc69-4184-b9a0-6b83dadf776c-link">12</a></sup>。しかし、仮に、庁舎管理規則に、庁舎内での撮影を禁止する条項があったとしても、法律の根拠がなければ、公務員でない来訪者に個別の同意なく義務を課すことはできないというべきでしょう（法律の留保）。なお、「庁舎管理権」は、「官公署の執務に支障が生じた場合には、官公署の庁舎の外に退去するように求める権能、およびこれに応じないときには、官公署の職員に命じて、これを庁舎外に押し出す程度の排除行為をし、官公署の執務の本来の姿を維持する権能をも当然に包含している」とされます<sup data-fn="27b171e9-a7b3-4c66-b855-3d0a9d7ad632" class="fn"><a href="#27b171e9-a7b3-4c66-b855-3d0a9d7ad632" id="27b171e9-a7b3-4c66-b855-3d0a9d7ad632-link">13</a></sup>。ただし、このことは、法律の留保の例外としてではなく、庁舎の管理者にも不退去罪の保護法益としての管理権が認められていることから説明ができると思われます。</p>



<p>検察官が、検察庁内での写真撮影が禁止される根拠として「庁舎管理権」を持ち出したことには、企業秩序定立権と不退去罪の保護法益を混同することと同じ誤りがあると思われます。すなわち、「施設の管理者が定めた規則に違反したことを動機として、管理者が施設に立ち入った者に対して施設から退去することを求めることができる」という命題から、「ある者が施設に立ち入ったならば、その者には施設の管理者が定めた規則に従う法的義務がある」という命題を導出するという誤謬です。不動産所有権に規則制定権など含まれていないということや、法律に基づかずに一方的に義務を課されることは原則としてないということは、法律家であっても忘れることがあるのです。</p>



<p>したがって、企業秩序定立権としての施設管理権と不退去罪の保護法益としての管理権との区別に注意を払うことは有益であると思われます。</p>


<ol class="wp-block-footnotes"><li id="4265b7fd-19f4-407b-a142-a119fe17d853">京野哲也編著　ronnor・福田英訓・頓宮尚公・中川佳男・花房裕志・黒田修平著『Ｑ＆Ａ 若手弁護士からの相談２０３問 企業法務・自治体・民事編』（日本加除出版、２０２２年）、８４頁 <a href="#4265b7fd-19f4-407b-a142-a119fe17d853-link" aria-label="脚注参照1にジャンプ">↩︎</a></li><li id="47a89f94-091e-41e9-a5ff-be63c101e246">梅田康宏・中川達也『第２版 よくわかるテレビ番組制作の法律相談』（日本加除出版、２０１６年）１９０頁 <a href="#47a89f94-091e-41e9-a5ff-be63c101e246-link" aria-label="脚注参照2にジャンプ">↩︎</a></li><li id="91ce4665-f86b-487c-add5-2ba5e266971f"><a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52332">最判平成１６年２月１３日民集５８巻２号３１１頁</a> <a href="#91ce4665-f86b-487c-add5-2ba5e266971f-link" aria-label="脚注参照3にジャンプ">↩︎</a></li><li id="8141fd9e-b09c-4f14-a347-63a5fb01a7da"><a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52388">最判平成１７年１１月１０日民集５９巻９号２４２８頁</a> <a href="#8141fd9e-b09c-4f14-a347-63a5fb01a7da-link" aria-label="脚注参照4にジャンプ">↩︎</a></li><li id="61776197-e977-40c6-a38a-ad08adaead46"><a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=81957">最判平成２４年２月２日民集６６巻２号８９頁</a> <a href="#61776197-e977-40c6-a38a-ad08adaead46-link" aria-label="脚注参照5にジャンプ">↩︎</a></li><li id="c991c31e-b552-49d7-a0de-eeefcc7e8a1b"><a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52332">最判平成１６年２月１３日民集５８巻２号３１１頁</a> <a href="#c991c31e-b552-49d7-a0de-eeefcc7e8a1b-link" aria-label="脚注参照6にジャンプ">↩︎</a></li><li id="504c621d-71b8-44e8-b874-71b0476860c9">髙橋和之ほか編『法律学小辞典　第６版』（有斐閣、２０２５年） <a href="#504c621d-71b8-44e8-b874-71b0476860c9-link" aria-label="脚注参照7にジャンプ">↩︎</a></li><li id="7ebe2f0b-f961-42f9-b662-2e7921510d48"><a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=53225">最判昭和５４年１０月３０日民集３３巻６号６４７頁</a> <a href="#7ebe2f0b-f961-42f9-b662-2e7921510d48-link" aria-label="脚注参照8にジャンプ">↩︎</a></li><li id="3806c5ca-128f-4bbb-bfb5-8d7ddb70faf3"><a rel="noopener" target="_blank" href="https://toyo.repo.nii.ac.jp/records/6318">門田信夫「施設管理権と組合活動&#8211;施設利用をめぐる民事上の問題」東洋法学１１巻２－３号３１～６２頁（東洋大学法学会、１９６７年）</a>、３３頁 <a href="#3806c5ca-128f-4bbb-bfb5-8d7ddb70faf3-link" aria-label="脚注参照9にジャンプ">↩︎</a></li><li id="44c15f49-7d04-45e7-bc8d-fc9af3502862">菅谷和夫・山川隆一『労働法〔第１３版〕』（弘文堂、２０２４年）、６４３～４４頁 <a href="#44c15f49-7d04-45e7-bc8d-fc9af3502862-link" aria-label="脚注参照10にジャンプ">↩︎</a></li><li id="433aa769-271c-448c-9ac8-bf1ef346d0d2"><a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail3?id=22797">大阪高判昭和２９年４月２０日高刑集７巻３号４２２頁</a> <a href="#433aa769-271c-448c-9ac8-bf1ef346d0d2-link" aria-label="脚注参照11にジャンプ">↩︎</a></li><li id="6c2d9b28-dc69-4184-b9a0-6b83dadf776c">遠藤きみ「庁舎管理権」判例タイムズ３６９号９９頁以下（１９７８年）、９９頁 <a href="#6c2d9b28-dc69-4184-b9a0-6b83dadf776c-link" aria-label="脚注参照12にジャンプ">↩︎</a></li><li id="27b171e9-a7b3-4c66-b855-3d0a9d7ad632">東京高判昭和５１年２月２４日高等裁判所刑事判例集２９巻１号２７頁 <a href="#27b171e9-a7b3-4c66-b855-3d0a9d7ad632-link" aria-label="脚注参照13にジャンプ">↩︎</a></li></ol>]]></content:encoded>
					
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		<title>いわゆる刑事手続IT化法が成立しました</title>
		<link>https://www.bingo-law.jp/archives/180</link>
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		<dc:creator><![CDATA[弁護士　天野　克則]]></dc:creator>
		<pubDate>Tue, 20 May 2025 19:24:59 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[ブログ]]></category>
		<category><![CDATA[刑事弁護]]></category>
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					<description><![CDATA[　令和７年５月１６日、刑事訴訟法の一部を改正する法律案が参議院で可決されました。成立した法律は、主には、令状や公判調書などの書類の電子化と弁解録取や勾留質問などのオンライン化のために刑事訴訟法を改正するものです。同法案の [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[
<p>　令和７年５月１６日、刑事訴訟法の一部を改正する法律案が参議院で可決されました<sup data-fn="e8edaf5d-40fd-4ba6-8e9f-9a9dbe24b3a1" class="fn"><a href="#e8edaf5d-40fd-4ba6-8e9f-9a9dbe24b3a1" id="e8edaf5d-40fd-4ba6-8e9f-9a9dbe24b3a1-link">1</a></sup>。成立した法律は、主には、令状や公判調書などの書類の電子化と弁解録取や勾留質問などのオンライン化のために刑事訴訟法を改正するものです。同法案の作成経過については、同月２１日現在、衆議院の議事録は公開されていないようです。法制審議会刑事法（情報通信技術関係）部会でまとめられた同法案に関する要綱（骨子）については、同部会の委員でもあられた久保有紀子先生が、二弁フロンティアの特集記事で解説しておられます<sup data-fn="629365ff-817a-4c61-9c12-0852cc64e6af" class="fn"><a href="#629365ff-817a-4c61-9c12-0852cc64e6af" id="629365ff-817a-4c61-9c12-0852cc64e6af-link">2</a></sup>。法案の内容を見ても<sup data-fn="0b89e1ae-0915-4174-b946-4c221897941f" class="fn"><a href="#0b89e1ae-0915-4174-b946-4c221897941f" id="0b89e1ae-0915-4174-b946-4c221897941f-link">3</a></sup>、同部会において久保先生が指摘していたとおり、基本的には、捜査機関の便宜のための改正といえそうです<sup data-fn="688bd169-b18a-4609-aef7-f63c2ba5b826" class="fn"><a href="#688bd169-b18a-4609-aef7-f63c2ba5b826" id="688bd169-b18a-4609-aef7-f63c2ba5b826-link">4</a></sup>。多くの弁護士が希望していたオンライン接見などは法案にもなりませんでした。</p>



<p>　弁護人として、特に注目すべきは、電磁的記録提供命令（改正後の刑事訴訟法１０２条の２）でしょうか。</p>



<p>　被疑者が使用するスマートフォンのデータを捜査機関が精査したいと考えた場合、現行法であれば、スマートフォンを押収し、被疑者から任意にパスコードやパスワードの開示を受けて、データを表示させたスマートフォンを写真撮影したり、スマートフォンのデータを複製したりしています。被疑者によるパスコードやパスワードの開示が任意であるのは、被疑者に黙秘権が保障されているからです（刑事訴訟法１９８条２項）。</p>



<p>　現行法には、記録命令付差押え（刑事訴訟法９９条の２）という制度もあり、捜査機関は、データにアクセスする権限がある者に対して、データを他の記録媒体に記録させた上で、その記録媒体を差し押さえることができます（刑事訴訟法２１８条１項）。これは、捜査機関に協力的な事業者に対して、その事業者が顧客の個人情報を開示することに関し、法的根拠を提供することを想定した制度とされています。記録命令付差押命令に従わなかった場合にも罰則はありません。そのため、被疑者に対して、記録命令付差押えがなされることもありませんでした。</p>



<p>　これに対して、電磁的記録提供命令は、命令に従わなかった場合に刑罰が科されることになっています（改正後の刑事訴訟法１２４条の２）。電磁的記録提供命令は、記録命令付差押えに代わるものとして導入されたようですが、その命令の対象者から被疑者または被告人は、少なくとも明示的には、除外されていません。電磁的記録提供命令に対する押収拒絶権を定める改正後の刑事訴訟法１０５条の２にも、被告人が押収拒絶権を有するということは明示されていません。電磁的記録提供命令が、データに関する差押えの類比であるとすると、被疑者にデータを提供させることは、被疑者の日記帳を差し押さえるのと変わらないという考え方のようです<sup data-fn="9c1c1ecd-ce94-4c6b-8d5f-431c3964fe18" class="fn"><a href="#9c1c1ecd-ce94-4c6b-8d5f-431c3964fe18" id="9c1c1ecd-ce94-4c6b-8d5f-431c3964fe18-link">5</a></sup>。</p>



<p>　さて、捜査機関が、被疑者が使用しているスマートフォンに、被疑事実に関連するデータがあるとして、被疑者に対する電磁的記録提供命令をした場合、弁護人としてはどうすればよいのでしょうか。　</p>



<p>　法制審議会における議論では、久保先生が「電磁的記録提供命令は、これを受ける者が命令又は令状において指定された提供すべき電磁的記録を提供するのではなく、当該電磁的記録に施された暗号やロックのパスワードを捜査官に教える必要があると誤解し、あるいは誤解させられるおそれがあります。電磁的記録提供命令の令状の執行に当たり、そうした誤解を生じさせないことが確保される必要があるのではないかと思いますが、この点はいかがでしょうか。」と質問されたのに対し、鷦鷯幹事が「電磁的記録について施された暗号化等の措置を解除するパスワードなどを含めて、その者が記憶する何らかの情報を供述することを命じることができるものとするものではありません」と発言されていました<sup data-fn="1a1c0984-393b-4d2c-b247-cf4240c87288" class="fn"><a href="#1a1c0984-393b-4d2c-b247-cf4240c87288" id="1a1c0984-393b-4d2c-b247-cf4240c87288-link">6</a></sup>。すなわち、被疑者が、捜査機関にパスコードを秘密にしつつ、パスコードを解除して、対象データを提供できるのであるから、パスコードの供述を求めているわけではなく、黙秘権侵害ではないという整理であるようです。特に、被疑者がスマートフォンのロックを生体認証（指紋認証や顔認証など）により解除する場合には、なんらの供述もしていないので黙秘権の侵害はないということになりそうです。</p>



<p>　しかし、被疑者に対してスマートフォンに保管されたデータを提供するよう命令することには、被疑者の日記帳を差し押さえることとは決定的に違う点があります。それは、被疑者に対する電磁的記録提供命令は、被疑者の協力を前提としているという点です。被疑者の日記帳を差し押さえる場合、被疑者は、日記帳がたとえ金庫の中に入っていたとしても、金庫から日記帳を取り出すことに協力する義務を負いません。今回の改正前も、被疑者は、スマートフォンが差し押さえられても、ロックがかかったスマートフォンからデータを取り出すことに協力する義務を負いませんでした。捜査機関は、業者に依頼して金庫の錠を外してでも、日記帳を差し押さえることができることになっています（刑事訴訟法１１１条）。スマートフォンの場合にも、捜査機関は、業者に依頼してでもロックを解除すればよいとされていたのです。</p>



<p>　私見ですが、この被告人の協力という要素があることにより、提供すべき電磁的記録の指定の方法によっては、電磁的記録提供命令に従うことが「供述」に当たる場合があるように思います。「供述」は、音声であるか、文字であるかを問いません。また、動作（頷くとか、指し示すとか）であってもよいとされます。例えば、被疑者と共犯者がお互いに匿名や偽名で通信していた場合に、電磁的記録提供命令により、共犯者との通信履歴の提供を求められたとします。この場合、被疑者自身が、スマートフォンの通信履歴から、どれが共犯者との通信履歴であるかを選択した上で、提供しなければならないことになります。そうすると、被疑者は、電磁的記録提供命令に従うことにより、被疑者のスマートフォン上で共犯者の通信履歴を特定するための情報という、スマートフォンに保存されたデータそのものではない情報を提供することを余儀なくされることになります。電磁的記録としては存在しなかった情報を、被疑者の記憶から新たに創出して提供しなければならないとすると、これは「供述」ではないでしょうか。</p>



<p>　弁護人としては、「供述」に当たる場合には、自己負罪拒否特権（憲法３８条１項）があるので、電磁的記録提供命令に従う義務はないというべきでしょうか。しかし、電磁的記録提供命令に従うことは一般に「供述」に当たらないと整理されている上、施行前なので当然ながら先例もありません。被疑者にどのように助言すべきかは悩みどころです。実際にどのように運用されるのかが分からなければ、どのように対応してよいのかも分からないのかもしれません。</p>



<p>　なお、電磁的記録提供命令とは関係ありませんが、今回の法改正では、供述調書などを電磁的記録で作成できるという内容も盛り込まれています。これに関して、証拠開示も電子化されるため、被告人や弁護人にとってもメリットが大きいなどという報道があります<sup data-fn="ff0fbac4-b41d-49a4-b0d3-ab2c19508cb5" class="fn"><a href="#ff0fbac4-b41d-49a4-b0d3-ab2c19508cb5" id="ff0fbac4-b41d-49a4-b0d3-ab2c19508cb5-link">7</a></sup>。現在は、証拠書類が開示されるといっても写しがもらえるわけではなく、被告人や国選弁護人が（一部）自腹で複写しているわけですが、電子化によりその負担が減るというわけです。しかし、公判前整理手続に付されない場合の証拠開示について定めた改正後の刑事訴訟法２９９条１項は、「電磁的記録については、その内容を表示したものを閲覧し、又はその内容を再生したものを視聴する機会」とするだけで、「電磁的記録の提供」とはしていません。そもそも、現在でも、一部の地域の検察庁では、証拠書類の開示をPDFデータを提供する方法によりしているといいます。つまり、国選弁護人が何百枚もの証拠書類を一部自腹で複写しなければならないは、広島地方検察庁を含む後進的な検察庁の運用によるものです。この点については、今回の法改正によっても、なんらの改善も保証されていません。</p>


<ol class="wp-block-footnotes"><li id="e8edaf5d-40fd-4ba6-8e9f-9a9dbe24b3a1"><a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.kanpo.go.jp/20250520/20250520h01467/20250520h014670007f.html">「官報」第１４６７号（７頁）</a> <a href="#e8edaf5d-40fd-4ba6-8e9f-9a9dbe24b3a1-link" aria-label="脚注参照1にジャンプ">↩︎</a></li><li id="629365ff-817a-4c61-9c12-0852cc64e6af">久保有紀子「<a rel="noopener" target="_blank" href="https://niben.jp/niben/pdf/18-29_tokusyu_NF5.pdf">特集　刑事手続のIT化</a>」NIBEN Frontier ２０２４年５月号（２０２４年）１８頁以下 <a href="#629365ff-817a-4c61-9c12-0852cc64e6af-link" aria-label="脚注参照2にジャンプ">↩︎</a></li><li id="0b89e1ae-0915-4174-b946-4c221897941f">衆議院「<a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/g21709030.htm">第217回国会　情報通信技術の進展等に対応するための刑事訴訟法等の一部を改正する法律案　議案本文情報</a>」（２０２５年５月２１日閲覧） <a href="#0b89e1ae-0915-4174-b946-4c221897941f-link" aria-label="脚注参照3にジャンプ">↩︎</a></li><li id="688bd169-b18a-4609-aef7-f63c2ba5b826">法務省「<a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.moj.go.jp/content/001411507.pdf">法制審議会　刑事法（情報通信技術関係）部会　第１５回会議　議事録</a>」（３頁〔久保有希子委員の発言〕、２０２５年５月２１日閲覧） <a href="#688bd169-b18a-4609-aef7-f63c2ba5b826-link" aria-label="脚注参照4にジャンプ">↩︎</a></li><li id="9c1c1ecd-ce94-4c6b-8d5f-431c3964fe18">法務省「<a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.moj.go.jp/content/001394233.pdf">法制審議会　刑事法（情報通信技術関係）部会　第７回会議　議事録</a>」（３３頁〔成瀬剛幹事の発言〕、２０２５年５月２１日閲覧） <a href="#9c1c1ecd-ce94-4c6b-8d5f-431c3964fe18-link" aria-label="脚注参照5にジャンプ">↩︎</a></li><li id="1a1c0984-393b-4d2c-b247-cf4240c87288">法務省「<a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.moj.go.jp/content/001411507.pdf">法制審議会　刑事法（情報通信技術関係）部会　第１５回会議　議事録</a>」（２頁〔久保有希子委員、鷦鷯昌二幹事の発言〕、２０２５年５月２１日閲覧） <a href="#1a1c0984-393b-4d2c-b247-cf4240c87288-link" aria-label="脚注参照6にジャンプ">↩︎</a></li><li id="ff0fbac4-b41d-49a4-b0d3-ab2c19508cb5">日本経済新聞「<a rel="noopener" target="_blank" href="https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE1447O0U5A510C2000000/">逮捕状や証拠書類を電子化、刑事IT化法が成立　遠隔出廷も可能に</a>」（２０２５年５月１６日） <a href="#ff0fbac4-b41d-49a4-b0d3-ab2c19508cb5-link" aria-label="脚注参照7にジャンプ">↩︎</a></li></ol>]]></content:encoded>
					
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